えりちん先生と言えば「描かないマンガ家」を描いた人として有名。そんな先生の最新作が「池袋レインボー劇場」だ。全3巻で完結。一気に読破する楽しさだったのでレビュー。この漫画は上京してきた18歳の家出少女:ユキがストリップの舞台に魅せられて踊り子を目指すといったもの。日常系、恋愛、ストリップの舞台や裏方の出来事などを中心に物語が展開していく。コメディ要素も満載で1巻〜3巻を通して笑えて、泣ける濃縮な人間ドラマを描いた漫画に仕上がっている。ちなみにエロ要素は少ないぞ!

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実家が厳しく自由の効かないユキは家出をして上京した地元の先輩の家を頼りに東京へやってくる。しかし、先輩は別の女を自宅に招き入れており浮気した形に…。ユキは結局、先輩に選ばれずに東京にて住む場所の宛が無くなる。そんな矢先に歩夢といった女性と出会い頭に衝突。あれよあれよとストリップの舞台を見ることに。

そこで歩夢の舞台を見たユキは感化されて自分もストリップの道を歩む決意を決める。

序盤の流れはこんな感じ。
1巻では家出してから初舞台デビュー前日までの話。2巻では少し早くなった初舞台と居酒屋での盗み聞きがメインの話になっている。3巻では当初のデビュー日によるユキのストリップ本格舞台の話から恋愛まで収録。全3巻で完結だが内容が濃く巻が進むに連れて面白さが増してくる。

ではでは、この漫画の見所をいくつか紹介していきたいと思う。

漫画「池袋レインボー劇場」みどころ

方言丸出し芋っ子ユキの成長過程

田舎から上京した18歳:ユキの成長はこの漫画の大きな見所の一つ。初舞台に関してはギャグか!と言うほどの失態を犯すが本格デビューの舞台では拍車喝采の舞台で踊り遂げる。舞台に立つユキの表情の変化にも注目して読んでもらいたい。芋っ子少女ユキが大人びて色気のある踊りを見せてくれる。

あと、個人的に好きなのはユキが嘘をつく時の表情や言動だ。とにかく嘘が下手なユキはわかりやすいし、表情がロボット状態…口パクパク。漫画であっても声を出して笑ってしまう(笑)

中学1年生:タクゾーの男前すぎる発言や行動

この漫画には中学1年生の不登校生:タクゾーといった少年が登場する。頭は良いのだがコミュ障っぽい感じ。と言うより大人びているのだ。決してイケメンではないが。そんなタクゾーは要所々々でユキやユキの恋相手:若松先生の背中を押す発言や行動をくり返す。中学1年生とは思えないタクゾーの行動や発言も見所の一つ。

ちなみに1巻ではただのエロガキ。タクゾーの真価は2巻、3巻で発揮されてくる。

ストリップの裏方、日常が垣間見える

この漫画のストリッパーである女性たちの生活や仕事模様などはかなり現実に近いようだ。劇場の裏で何が行われているか、踊り子たちの日常生活はどうなっているのか…など現実に近い形で垣間見ることができる。将来、この道に進もうとしている女性なら勉強にもなるだろう。

登場人物は決して多くないが個性的で魅力のあるキャラクターばかり。意外とビックリするような設定のキャラもいるので要チェックな見所だ。

ユキの切ない恋話

最終巻はユキの恋愛を中心に展開していく。ネタバレするがユキの東京での初恋は実らない。ただ、決してユキにとってマイナスとなる恋愛ではない。むしろ踊り子として飛躍できる恋だったのではないだろうかと考える。

芋っ子少女:ユキは真面目で純粋。
そんな彼女の切ないラブストーリーも見所。この辺りのタクゾーの男前な行動や発言も見所だから要チェック!

漫画「池袋レインボー劇場」感想

ユキが上京して本格デビューするまでの約1ヶ月前後の話しなのかな。その過程を3巻に凝縮して笑い、涙ありの物語に仕上げている。踊っている時の踊り子さんは皆、綺麗だし日常に戻ると面白いしといった感じで最高の漫画。特に様々な職種をテーマにした漫画がある中で「ストリップ」を題材にした漫画って少ないと思う。それになかなか体験することが出来ない世界。

そんな世界の表裏を上手に描いており、楽しませてくれる。正直、もっと池袋レインボー劇場の話が読みたい。3巻で完結するには惜しい作品。アニメより実写向け。もしメディア化されても絶対に面白いと思わせてくれる。

ネオン物マンガで笑いと涙ありの漫画を求めているなら絶対におすすめできるタイトル。気になった方は是非、レンタルしてみて下さい☆彡

漫画「池袋レインボー劇場」レンタル情報

池袋レインボー劇場

原作・著者えりちん
レンタル価格700円

「ユキ……踊るん好き?」厳格な家庭に育ったユキは、18を迎えた誕生日に家を飛び出した。東京で暮らすセンパイを頼り、辿り着いた先でユキが目にしたのは……。『描かないマンガ家』の作者が描く次なるテーマは、「ストリップ」!!